誤嚥性肺炎は防ぐことが出来る!

 日本では高齢化が進んでいて、介護や医療がますます重要になっています。特に、食べ物や飲み物が誤って気管に入ることで起こる「誤嚥性肺炎」という病気があります。この病気は、実は口の中をきれいにすることで予防できるという研究が進んでいます。

高齢者の肺炎と誤嚥性肺炎について

 肺炎は日本人の死因の第4位であり、亡くなる方の92%が65歳以上の高齢者です。高齢者における肺炎の70%以上が誤嚥性肺炎であると報告されています。高齢者の場合、飲み込む力や咳をする力が弱くなっているため、誤嚥性肺炎が起こりやすくなります。特に夜間、寝ている間に唾液や胃の内容物が少しずつ気管に入ることが多いのです。

誤嚥の研究

 ある研究によると、寝る前に歯肉に特殊な薬を塗り、寝ている間に少しずつ溶けるようにしました。翌朝、その薬が肺に入っているかを調べたところ、肺炎を患った人の70%が薬を誤って肺に吸い込んでいたことが確認されました。健康な高齢者では誤嚥がわずか10%しか見られませんでした。これは誤嚥性肺炎が、寝ている間に無意識のうちに起こり得ることを示しています。

病院や介護施設を選ぶ際に十分な注意を

 看護学校の教科書には、病院や介護施設で一般的に使われているスポンジブラシを使った口腔ケアの手順が書かれていますが、研究結果では、この方法だけでは細菌が増えることが確認されています。 多くの病院や介護施設では、口腔ケアが十分に行われておらず、それが誤嚥性肺炎の原因になっている場合があります。 そのような病院や施設を選ぶことは、誤嚥性肺炎にかかりに行くようなものだと言えますので、病院や施設を選ぶ際には、しっかりとした口腔ケアが実施されているかを確認することが大切です。

歯磨きだけでは不十分

 ある特別養護老人ホームで行われた研究では、入所者を口腔ケアをするグループと従来通りの歯磨きをするグループに分けて、5ヶ月間観察しました。口腔ケアを行ったグループでは細菌の数が十分の一に減少し、従来の歯磨きグループでは細菌が増加する傾向が見られました。

口腔ケアが重要

日々の歯磨きの重要性

 口腔ケアの基本である毎日の歯磨きは、虫歯や歯周病を防ぐだけでなく、誤嚥性肺炎の予防にも重要です。適切な歯磨きは、口内の細菌の数を減少させるため、感染のリスクを低減します。特に高齢者の場合、歯垢の除去は誤嚥物質に細菌が混ざるのを防ぎます。

歯間ブラシの役割

 歯間ブラシは、歯ブラシでは届かない歯と歯の間や歯周ポケットの清掃に効果的です。歯間の清潔を保つことは、歯垢の蓄積を防ぎ、誤嚥性肺炎の一因となる細菌の増加を抑制します。このため、日常的に歯間ブラシを使用することは、特に歯周病が進行しやすい高齢者にとって重要です。

舌苔の除去

 舌の表面に蓄積する舌苔は、口内細菌の繁殖地となり得ます。これらの細菌が食道を通じて肺に入ることが誤嚥性肺炎の原因となるため、舌の清掃は予防策の一環です。舌ブラシや舌クリーナーを用いて、定期的に舌苔を取り除くことが推奨されます。

歯石の問題と除去

 歯石は歯垢が硬化したものであり、一度形成されると自宅でのケアでは除去が困難です。歯石には多くの細菌が含まれており、これらが誤嚥されると肺炎を引き起こす可能性があります。定期的な歯科訪問を受けることで、歯石を除去し、誤嚥性肺炎のリスクを低減します。

栄養状態も重要

 誤嚥性肺炎の予防には、栄養状態も重要です。低栄養になると、免疫力が低下し、十分な口腔ケアを行っても誤嚥性肺炎を防ぐことが出来ません。そのため、栄養補助食品などを摂取することも大切です。

まとめ

 誤嚥性肺炎は、高齢者にとって特に怖い病気です。口腔ケアと歯科診療を定期的に行い、栄養状態を改善することで、誤嚥性肺炎の予防に役立てることができます。ご自身やご家族のためにも、ぜひ今日から実践してみましょう。

【参考情報】
口腔ケアと誤嚥性肺炎予防
誤嚥性肺炎の予防における口腔ケアおよび歯科診療の重要性