1.1 ある日のオフィス

 午前9時、株式会社ナレッジパートナーズのオフィスへと足を運ぶ。約百名の会計士や税理士が集う会計コンサルティング会社だ。私は会計士の一員としてここで働いている。エレベーターのドアが開き、カーペットが敷かれたフロアに一歩踏み入れると、仕事開始の準備で活気づいていた。職場はオープンスペースで、各チームが自由にコミュニケーションを取りながら業務を進める環境だ。

 「美香、おはよう!」デスクの隣に座る田中くんが元気に声をかけてくる。彼は同期入社で、面倒見が良く仕事もデキる、頼りになる存在だ。「おはよう、田中くん。」
コーヒーを手に取りながら、今日のスケジュールを確認する。メインのタスクはあるクライアントのIPO支援のための内部統制報告書の作成。少々手間取っている部分もあったが、それもこれも仕事のうち。楽しみながら取り組むことにする。
午前中は集中して仕事に取り組む。頭の中で情報を整理しながら、業務の流れを図に起こす。しかし、一部分の整理が難しく、「うーん、このワークフロー、どうにかスッキリさせたいけど…」と小声でつぶやく。
「美香、困った顔してるね?」と、田中くんが気づいて声をかけてくる。
「うん、このワークフローの部分、なかなかうまくまとまらなくてさ。」と私。
「それなら、ちょっと見せてみて?」と田中くん。
私は彼に業務記述書を見せ、課題点を共有する。田中くんはじっくりと書類を見つめながら、「うーん、これならこうすると…」と意見を出してくれた。
その時、鈴木課長が歩いてきて、「二人とも、頑張ってるか?」と声をかけてくる。
「はい、課長!ちょっと複雑な業務記述書が出てきただけで!」と私が力強く答えると、課長は「それなら任せたぞ」と笑顔で応えてくれた。

 ランチタイムになると、課長が「お昼一緒にどうだ?」と提案。新しく開いたイタリアンレストランでランチを楽しむことになった。課長は大のイタリアン好きで、美味しいお店を見つけるのが得意だ。
レストランでのランチタイムは楽しく、ピザをつつきながら、「このピザ、美味しいね!」「課長の選択、さすがです!」と笑い合った。

 午後、「美香、見てみて、これならどうかな?」と田中くんが新たなワークフローを見せてくれた。見てみると、思っていた以上にすっきりと整理されていて、理解しやすい。
「これはすごいね、田中くん!ありがとう!」と私。彼の助けに感謝の言葉を述べる。
「困ってる美香を助けるのが、僕の仕事さ」と田中くんはニッコリと笑う。

 そんな風に一日が過ぎていく。仕事は厳しいこともあるけれど、仲間たちとのコミュニケーションを通じて、楽しみながら進めていくことができる。これが私の日常だ。